ベイタウン旅行倶楽部
桜の花を求めて
ショートツーリング(世田谷〜杉並)1980年4月9日
都内は桜の名所が多くて、困るくらい。でも、花見をするったって、毎年決まったところにしか行かないもんだ。不思議なことに。でも、バイクがあると、気軽に一日のうちに色々なところに行くことが出来る。バイクって本当に便利だよね。

新東京観光


1980年。今から24年くらい前だから、当時私は、○○歳だったのだ。そう、めちゃ、若者。当たり前。しかも、金の無い、取り柄の無い若者だった。あるのは、バイクとカメラだけ。それから、クロスオーバーなんて言われていたジャンルのレコード。酒飲んで音楽聴いているか、バイクにまたがってどこかへ出かけるか、だいたい暇なときはそういうことしかなかったのだ。



阿佐ヶ谷の桜(阿佐ヶ谷北1丁目)


桜の花を求めてショートツーリング

1980年
都内に住んでいた私の日常の足はバイクだった。
最初はけっこうでかいバイクに乗っていたのだが、アパートの自転車置き場には収まらないし、路上に停めておくのも気が進まないので、スリムな250ccのバイクに買い換えた。

これが、便利。
思い立ったときにすぐに出かけられる。
4月の日曜日、前日飲み過ぎて、アパートにうだうだしていたのだが、アパートのすぐ近くの桜が満開だったので、急に外に出てみたくなった。せっかくだから、休日しか乗れないバイクにまたがって、都内の桜の名所を渡り歩いてみようと決めた。




1980年の私と愛車のXL-250Rデコスタースペシャル

私の住んでいるところは、北沢4丁目。小田急線の東北沢からほど近い。下北沢へも歩いてゆける。バイクに乗って、ゆっくり走ると、桜の木ってどこにでもあることが分かる。北沢中学校の校庭から井の頭通りに張り出した桜の花は見事だった。見事な桜があると、バイクを停め、しばらく眺め、そしてまたバイクを走らす。そんなことをやっているうちに、いつの間にか阿佐ケ谷まで来てしまった。



左:私のアパートの前の桜  右:北沢中学校前(井の頭通り)の桜

阿佐ケ谷は、世田谷区北沢に住む前に住んだところ。酒屋のバイトをしながら食っていた。商店街の店主たちや、バイト仲間、そして、配達をしているうちに知り合った友達が住んでいた。この日、宛ては無いのに、自然に足が向いてしまったのは、なんとなく人恋しさなのだろうか。無性に誰かに会いたくなった。だが、阿佐ケ谷に着いたら、急にその気が無くなってしまった。




中央線のガード沿いの桜(阿佐ヶ谷)

再びバイクを走らせ、善福寺川公園へ行ってみた。薄曇りだった空が段々暗くなってきた。雨が降りそうな気配がする。風が桜の木を揺すってざわざわと音を立てる。ついさっきまでたくさんの花見客がいた気配はあるのだが、意外に人がまばらだった。満開の桜も寂しく見えた。一人、公園の中を歩いて、再びバイクに乗る。



善福寺川公園の桜

気のせいか、私が都内で意識的に桜を見るときはいつも天気が悪い。良くて花曇り。いつだったか、大量の酒や食べ物を用意し出かけた花見はどしゃぶりだった。この日も怪しげな雲が空を覆ってきた。私は慌ててバイクにまたがり、世田谷のアパートに向かった。バイクは楽しいが、雨だと悲惨だ。しかも雨具を持ってきていない。

代田の辺りまで、雨は落ちてこなかった。気持ちにちょっとゆとり。井の頭通りを渋谷方向に左折すると、北沢だが、余裕をかまして逆に世田谷代田の給水場のほうにまわった。ここもまた桜が綺麗。ざっと眺める。それから、下北沢を周り、代沢のかつて川だったところに蓋をした公園へ行く。都内にはこの手の公園は多い。そこは下北沢周辺で一番の桜の名所だ。

バイクを停め、桜を堪能しようと思ったら、ぽつりと雨が落ちてきた。ペンタックスの一眼レフで写真を2枚撮って慌ててアパートに戻る。埃っぽい風に桜の花びらが舞っていた。バイクを片付けていると、途端に本格的な雨が降ってきた。部屋で雨音を聴きながらバーボンをストレートで飲んだ。「バーボンをストレートで」というとかっこいいけど、当時、冷蔵庫を持っていなかったので、ストレートで飲むしかないのだ。(笑)



世田谷区代沢。川沿いの桜。川沿いといっても、地上には露出していない。現在では公園になっている。写真には割烹着のおばちゃんが写っている。割烹着で歩く人なんて、このごろ皆無だよね。

この川、どうやら上北沢のほうから八幡山を通って、流れてきているようだ。そして、代沢、淡島、と経て、池尻に出て、目黒川に注いでいる。


代沢の桜。
天候が崩れかけているので、人がいない。
見事なくらいに咲き乱れる桜。昨日の祭りの余韻がどことなく漂っている。
茶沢通り(三軒茶屋から北沢4丁目)の横断歩道。代沢4丁目42番地。
雨の降る直前。この後、私は慌てて帰宅している。

■ここに掲載している写真は約20年前のもので、しかも保存状態も悪いので、色が退化しております。お見苦しい点をお詫びします。(2004/3/29)

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